カミーノ巡礼の終わりに【フィステーラとムシアについて】

こんにちは!シチリアで占星術をしているマッジョ(@m_a_g_g_i_o )です!

私の好きなサンティアゴ巡礼ことカミーノでは、聖地サンティアゴで巡礼を終えずに、「フィステーラ」もしくは「ムシア」と呼ばれる西の果てまで歩く人もけっこういるのですが、みなさんはご存じですか?

今日はこの「フィステーラ」と「ムシア」について説明してみようと思います。

フィステーラとムシアってどこにあるの?

サンティアゴから更に西の海沿い、86〜88kmくらいのところにどちらもあります。途中アルベルゲもあるので歩いてく行くこともできます。ただしアルベルゲはフランス人の道と比べると少ないです。

歩いて行く場合は途中で分岐点があり、フィステーラルートとムシアルートの好きな方を選ぶ事ができます。また、フィステーラとムシアの間も歩いて移動することができます。

では、まずはフィステーラから紹介します!

フィステーラとは

「世界の果て」と信じられていた場所

まだ「地球は平らで、世界の果てには大きな滝がある」と信じられていた時代、フィステーラにあるフィニステレ岬が「世界の果て」であると信じられていました。そのためフィニステレとは「陸地の終わり」という意味があります。

フィステーラの灯台は巡礼の最終地点

サンティアゴで巡礼を終えて帰って行く巡礼者もたくさんいますが、フィニステレ岬の灯台で夕日をみて、巡礼中に着ていた靴や服を燃やして巡礼を終えるという習慣がありました。※現在は環境問題の関係で服などを燃やすことは禁止されていますが、最後に夕日が沈むのを見に行く巡礼者は今でもたくさんいます。



フィステーラへのアクセス方法

1.徒歩

サンティアゴ・デ・コンポステーラから、もしくはムシアから歩く事ができます。黄色い矢印があるので、ほかの巡礼路と同じでそれに従って行けば辿り着くことができます!サンティアゴからは3〜4日、ムシアからだと1〜2日かかります。

2.バス

サンティアゴ・デ・コンポステーラのバスターミナルからバスに乗って行くことが出来ます。また、ムシアからもバスで1時間くらいで行くことができます。時刻表は宿の人や周りの巡礼者に聞いたり、発着場などで確認することができます。(確実なのは発着場です!)

フィステーラのみどころ

砂浜

最初に到着したときに通ることになる砂浜。一見ふつうの砂浜ですが、貝殻がいっぱいあるので、記念に拾って帰る人も多いです。また巡礼に来たいなあという人は、ここでホタテ貝を見つけて次の巡礼の時にバックパックにくくりつける人もいます。

灯台

世界の端っこと信じられていた場所にある灯台。フィステーラの街からは3キロくらいあります。ここで夕日が沈むのを見て、巡礼者は長い巡礼生活を終え、新しい人生に向かって生まれ変わります。何とも言えない感慨深いものがあるので、ぜひ一度は体験してみてほしいです。

食べ物海の幸

魚や海鮮料理が楽しめるのもフィステーラの楽しみのひとつ。おすすめは「ナバハス」と呼ばれる細長い貝、マテ貝です。ちなみにムシアでも同じように海鮮料理がおすすめです。

ムシアとは

落ち着いた小さな海辺の街

ムシアは小さな小さな海辺の街で、もともとはキリスト教よりもケルトと関係の深い場所だったようです。傾斜のある地形が特徴で、周りは絶壁、内陸は小さな丘が特徴です。その独特の落ち着いた雰囲気を気に入って中には連泊する人もいます。

絶壁の教会【Santuario da Virxe da Barca】

ガリシア語が混ざっているので教会の正式な発音がわからないのですが、ムシアと言えば「マリアさまが石の船に乗って現れた」と言われている崖っぷちにある教会です。

ムシアへのアクセス方法

基本的にはフィステーラへのアクセス方法と同じです。

1.徒歩

サンティアゴ・デ・コンポステーラから、もしくはフィニステーラから歩く事ができます。フィステーレルートと同じで、サンティアゴから歩くと3〜4日、フィステーレからだと1〜2日かかります。

2.バス

サンティアゴ・デ・コンポステーラのバスターミナルからバスに乗って行くことが出来ます。また、フィニステーラからもバスで行くことができますが、私が行った2017年には途中のCEEという街で乗り換えがありました。

ムシアのみどころ

崖の教会【Santuario da Virxe da Barca】

2013年のクリスマスに雷火災で一度燃えてしまった家事で燃えてしまったとのことでしたが、2015年春に修復が終わり現在は復活しています。中に入れる時間は限られているようです。

Costa da Morte [コスタ・ダ・モルテ]

内陸から見た教会の後ろには絶壁が

上記の教会を内陸側から見ると、まさに海近くぎりぎり。コスタ・ダ・モルテは直訳すると死の海岸。静かな街と反対に、ざっぱーんと波の迫力が印象的なのがこのムシアの特徴です。有名な石のモニュメントもこのすぐ近くにあります。

ムシアでおすすめの宿【Albergue Arribada】

宿を探していたときにたまたま会った韓国人巡礼者のお兄さんが教えてくれたのが、街の真ん中にあるこの宿。新しく中はとてもきれいです

  • ベッドひとつひとつに仕切りとカーテン
  • キッチンあり
  • シャワーに折りたたみ椅子あり&エレベーターもあり
  • 個室あり(値段はちょい高め)

珍しいバリアフリーのアルベルゲなので、足を痛めてしまったという人にも優しい作りなのが嬉しいところ。バスの発着場やレストランゾーン、スーパーもわりと近いので、とてもおすすめです!



巡礼の旅の終わりに


フィステーラとムシアは、内陸ルートをずっと歩いた人たちには特におすすめしたいルートです。目の前にぱあっと開けて見えてくる海がとてもまぶしくて、波の音がして、「あーほんとうに、これで旅が終わったんだ…」って、なんとも言えない感慨深さが味わえるんです。

海の近く独特の耳をかする風や潮の香りは、やっぱり五感で体感するのが一番鮮明に記憶に残る気がするんです。せっかく行くのだから、そんな「カタチに残らないけど心に新しい彩りを与えるような思い出」をいっぱい作って帰国してほしいなあと思います。

時間の調整もあるとは思いますが、ぜひフィステーラムシア行きも巡礼プランに考えてみてください〜!